💁レンタルサーバーの選び方 ~ 選ぶ際のポイントや価格帯の目安を解説

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高橋永治

理想的なレンタルサーバー選びは、用途に対して過不足の無いサーバーを選ぶことです

用途に合ったサーバーを適切に選ばないと、必要とする機能やサービスが備わっていなかったり、逆に必要以上のスペックによって高コストになってしまう場合があります。

本記事では、最適なサーバーを選ぶための情報として、価格帯の目安仕様を見る際のチェック表押さえておきたいポイントなどを解説します。

用途・目的と価格帯の目安

用途・目的に適したサーバーは、価格帯によって大まかに分類することができます。

個人の趣味であれば~400円程度、スモールビジネス用途で~1,000円程度、一般的な企業サイトで1,000円~を目安とし、これを基準に必要とする機能やサービスの有無によって絞り込んでいくと良いでしょう。

用途・目的 月額料金の目安 説明
小規模サイト / とにかく安く! 100~400円 小規模な個人サイトであれば、この価格帯でも運用することが可能です。ただし、極端に安いサーバーではWordPressが利用できないこともあるので注意が必要です。
小・中規模サイト / コスパ重視 400~1,000円 スペックと料金のバランスが取れた価格帯です。基本的な機能は備わっているため、個人ブログや小規模な企業サイトであれば必要十分なサーバーと言えます。
中規模サイト~ / スペック重視 1,000~3,000円 この価格帯になるとスペックの高いサーバーを選ぶことができ、ビジネスプランも選択肢に入ってきます。WordPressを高速化したい場合や、企業サイトの運用に適しています。
中規模サイト~ / セキュリティやサポートも重視 3,000~14,000円 より高いセキュリティや安定性、手厚いサポートを求める場合には、この価格帯のサーバーを検討してみると良いでしょう。全体的に法人利用を想定したサービス内容となっています。

レンタルサーバーを選ぶ際のチェックポイント

サーバーのスペック機能サービス内容に関するチェック表です。

サーバーを比較検討する際にチェックしておきたい項目と、それぞれの項目に関する説明を掲載しています。

自身のサイトにとって「どのような機能が必要なのか、何を重視すべきなのか」を検討する際に参考にしてください。

PDFもあります▼

項目 説明
スペック
Webサーバーの種類

重要度:(WordPressを使用する場合は

Webサーバーの種類には、ApachenginxLiteSpeedなどがあります。

  • Apache(アパッチ):古くから利用されてきた従来型のWebサーバー。信頼性が高く、現在でも多くのレンタルサーバーで使用されています。
  • nginx(エンジンエックス):Apacheよりも高速とされ、高負荷耐性に優れています。現在は世界シェアでトップ[※1]。※Apacheと併用されていることが多いです。
  • LiteSpeed(ライトスピード):nginxよりも更に高速とされ、高負荷耐性に優れています。国内シェアは少なめ[※1]

WordPressを導入する場合は、nginxLiteSpeedがおすすめです。

ストレージの種類

重要度:

ストレージの種類には、HDDSSDNVMe SSDがあります。

  • HDD:古くから利用されてきたものの、現在ではHDDを使用しているレンタルサーバーは少なくなっています。
  • SSD:HDDよりも高速。現在主流のストレージとなっており、多くのレンタルサーバーで使用されています。
  • NVMe SSD:通常のSSDよりも更に高速で、高速性を重視したサーバー(プラン)で使用されていることがあります。

WordPressを導入するかどうかに関わらず、SSDNVMe SSDのストレージの利用をおすすめします。

容量

重要度:

主要なレンタルサーバーでは、300GB~の容量を持つケースが多いです。一般的なサイト(ブログ)であれば、このくらいの容量があれば十分です。

格安サーバーでは容量が少なくなりますが、個人が趣味で運営するのであれば(容量的には)20~30GB程度でもいけると思います。

転送量の制限

重要度:

無制限であることが望ましいですが、制限がある場合でもよほどの人気サイトでなければ問題になるケースは少ないです。

メモリ

重要度:

メモリの容量はサーバーの価格帯に比例します。低価格帯で4GB前後、中・上位プランで8GB前後、ビジネス向けのプランで12GB~が目安となります。

機能
WordPressの利用

重要度:WordPressを使用する場合は必須

多くのサーバーで利用が可能ですが、格安サーバーの中には利用できない場合もあるので注意が必要です。

WordPressの簡単インストール

重要度:WordPressを使用する場合は

サーバーによっては、WordPressの簡単インストール機能が備わっている場合があります。

実際に使用してみると本当に簡単にインストールできるため、WordPressを利用する際にはこの機能が備わっているサーバーがおすすめです。

自動バックアップ

重要度:

サイトのデータをバックアップする機能です。特にWordPressを使用している場合には重要な機能となります。

多くのサーバーで利用が可能ですが、低価格帯のプランでは利用できない場合もあるので注意が必要です。

復元方法はサーバーによって異なり、1クリックで復元できる場合と、FTPによって手動で復元しなければならない場合があります。

マルチドメイン

重要度:

1つのサーバーで複数の独自ドメインを運用できる機能です(サブドメインとは異なります)。複数のサイトを運営する際には、この機能を利用することでサーバー代を抑えることができます。

この機能は多くのサーバーで利用が可能ですが、設定できる独自ドメインの数はサーバーにより異なります(数個~無制限)。

無料SSL

重要度:

無料でサイトのSSL化(https化)を行える機能です。ほとんどのサーバーで対応しています。

一般的なサイトであれば無料のSSLで十分ですが、より信頼性を高めたい場合は、認証レベルの高い有料のSSL(年間数千円~10万円以上)を検討してください。

メールアカウント数

重要度:

サーバーにより、設定可能なメールアカウント(メールアドレス)の個数は異なります。

無制限、または必要十分な個数が設定されている場合が多いですが、社員数の多い法人の場合はこの項目の確認が必要です。

MySQLの数

重要度:

サーバーにより、利用可能なMySQL(データベース)の個数は異なります。

一般的に、WordPress1つに対して1つのデータベースを使用することが多いため、複数のWordPressをインストールする場合はこの項目の確認が必要です。

※無制限、または必要十分な個数が設定されている場合が多いです。

FTPアカウント数

重要度:

サーバーにより、設定可能なFTPのアカウント数は異なります。

複数のアカウントが設定できる場合は、サブアカウントに対してアクセス可能なディレクトリを制限することができます。

外部の事業者に更新を依頼する際などには、サブアカウントがあると便利な場合があります。

サービス
サポートの種類

重要度:

サポートの種類にはメールサポートチャットサポート電話サポートがあり、サーバーにより対応するサポートが異なります。

低価格帯ではメールやチャットによるサポートのみ、上位プランでは電話サポートにも対応、といったケースが多いです。

サポートの品質については実際に利用してみないと分からない点が多いため、サポートを重視する場合はネット上で口コミを検索してみることをおすすめします。

無料ドメイン

重要度:

サーバーによっては、独自ドメインを無料で提供している場合があります。これは、「そのサーバーを契約している間は独自ドメインの維持費が無料になる」といったサービスになります(利用条件があります)。

ドメインの更新費は毎年数千円程度かかるので、その費用を節約したい場合はこのサービスの利用を検討すると良いでしょう。

プランの変更

重要度:

サーバーによっては、途中でプランを変更できる場合があります。このようなサーバーでは、「まずは下位のプランで開始して、必要に応じて上位のプランに変更する」といった運用が可能になります。

上位のプランにのみ変更が可能な場合と、上位・下位のどちらのプランにも変更が可能な場合があります。

無料お試し期間

重要度:

多くのサーバーで無料お試し期間が設定されています(10~30日間程度)。このようなサーバーでは、実際に使用感を確認してから利用を開始することができます。

サーバーのスペックによってはWordPressの動作が重く感じることがあるため、特に下位のプランでは事前に確認できることはメリットになります。

サーバー容量の計算方法

サーバーの容量とは、一般的にはWeb領域メール領域データベース領域を合わせた容量になります。(サーバーによっては、データベース領域が別に確保されている場合もあります)

Web領域の計算方法としては、1ページあたりの容量を1~3MB(画像を含む)とした場合、100ページで100~300MB程度になります。

※大きいサイズの画像やPDFファイルを多用する場合は、もう少し余裕を持って計算した方が良いでしょう(1.5倍~2倍程度)。

※動画ファイルをアップロードする場合は、(内容にもよりますが)1ファイルあたり数百MB以上を想定しておいてください。

メールデータをサーバーに残す場合は、メール領域の容量も意識する必要があります。メールアカウント1つあたりの最大容量を2GBとした場合、50人分のアカウントで最大100GBの容量を確保しておく必要があります。

WordPressを導入する場合はデータベース領域も使用することになりますが、この領域の容量はWordPress1つにつき数百MB程度あれば十分でしょう。

WordPressを導入する際のポイント

HTMLで作られた静的サイトに比べ、WordPressで構築されたサイトはページの表示が重くなりがちです。表示が遅いとユーザーの離脱率を高めてしまい、SEO的にもよろしくありません。

WordPressの表示スピードを高めるためには、WebサーバーはnginxまたはLiteSpeed、ストレージはSSDまたはNVMe SSDを使用しているサーバーを選ぶようにしてください。

他に、WordPressの簡単インストール機能が備わっているかどうか、バックアップデータの復元が簡単に行えるかどうかも確認しておきたいポイントになります。

法人利用の場合に押さえておきたいポイント

サーバーの不具合は事業の機会損失にも繋がりますので、まずは信頼性の高いレンタルサーバー会社を選び、予算が許す範囲で安定性や安全性の高いサーバー(プラン)を選ぶことをおすすめします。

多数の社員にメールアドレスを割り当てる場合は、設定可能なメールアドレスの数サーバーの容量も確認しておいてください。

電話によるサポートが必要な場合は、電話サポートの有無も確認が必要となります。

以上です。

今回はレンタルサーバーの選び方について解説させていただきました。

本記事がお役に立てましたら幸いです。